ソニーのGマスターレンズが凄い理由
ソニーが海外でGマスターレンズを3本発表しました。MTFやサンプル画像を見ると、ちょっとビックリしたと思います。ツァイス銘を付けずにソニーブランドのまま、ここまで性能を持つレンズを作り上げることに驚きました。
CP+の前には国内でも発表されると思いますが、それまでは日本語のGマスターレンズの情報が少ないようなので、sony.comのページとyoutubeにアップされた動画、dpreviewのインタビューからGマスターレンズのどの辺がこれまでと違うのかまとめました。
XAレンズ
XAレンズのXAはextreme aspherical lensの略称のようで、どの辺がエクストリームかといと、非球面レンズ表面の凹凸を極端に少なくしてなめらかに加工しているようです。
従来は20nmから30nm程度の凹凸を製造工程の見直しや新しい機械の導入で10nm以下にしたようです。
それにより、玉ねぎボケ(onion-shaped bokeh)とか年輪ボケとよばれる、玉ボケの内側の模様が出なくなるそうです。
あの模様で非球面レンズ嫌いの方もいるようですし、非球面レンズはボケが悪いなんていう方もいます。例えばニコンは85mm f/1.4Gでは非球面レンズを使っていないようです。ニコンの85mmはMTFを見るとボケ方にこだわっているような感じを受けるので、ボケに拘り非球面を使わなかったと思われます(ただその後に出た58mmには非球面レンズを使っています)。
ヨドバシカメラのライカの技術者へのインタビューでは非球面レンズを使いしっかり解像させることでボケを際立たせる、というような事が書いてあります。ソニーも非球面レンズを上手く使うことで新しい85mmのようなシャープさと綺麗なボケを両立させたのでしょう。
XAレンズはボケだけでなく解像性能、コントラストにも貢献しているようです。Gマスターレンズでは50本/ミリの性能を目指したそうです。100本/mmでもよかったそうですが、さすがにレンズが大きすぎるそうです。
既に最近のレンズは大きすぎると感じている方は少なくないので、レンズ性能だけでなく、どの辺でバランスをとるのかが重要になりそうです。
コンピューターシミュレーション
新たに導入したコンピューターシミュレーションにより、実際にレンズを作らずにボケ方の様子がわかり様々なレンズ構成を検討出来たようです。
ソニーのサイトにある図では、ボケの周辺が強調されたものがシミュレーションによりなだらかになったとあります。ボケの周辺が強調されると、二線ボケの原因になりボケも硬くなります。ソニーのSTFや富士フイルムのアポダイゼーションフィルターなどはボケが柔らかくなるように周辺が柔らかくなるようにしたものです。
アポダイゼーションフィルター(APDフィルター)の原理と効果
解像性能が高くなると二線ボケの傾向が出ると言われますが、今回のソニーの85mmの撮影サンプルを見る限りでは解像性能が高いにも関わらずボケは柔らかいので、新しいシミュレーションは非常に効果があったのかもしれません。
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