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ニコンがDX用標準ズームレンズに採用した電磁絞りとは?

   

ニコンがAF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRというAPS-C用の標準ズームレンズを発表しました。
比較的明るく、ズーム倍率も少し高めでナノクリスタルコートを採用した、意欲的なズームレンズです。
このレンズ、スペックだけでなく電磁絞りを採用したことも注目されています。

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機械絞りと電磁絞り

これまでニコンはほとんどのレンズで機械絞りを採用してきました。
機械絞りというのは、絞り連動レバーを動かすことで、絞り羽根が動くというものです。
機械絞りに対し、電磁絞りは電気的な信号により絞りを電動で動かすというものです。
機械絞りを使っているのはニコンとペンタックス、他のメーカーは電磁絞りです。(ライカのMマウントは自動絞りではないので、どちらでもありません)
機械絞りは機械的な連動機構が必要になるため、スーペース的な問題と、絞りの精密な精度が難しいという問題があります。
そのためニコンは、機械的な連動が難しくなる望遠レンズとアオリレンズ(PC-Eレンズ)に電磁絞りを採用してきました。
対して、電磁絞りは問題がないのかというとそんなことはありません。
電磁絞りは絞り込むほど時間がかかる、という問題があります。これは連射速度とレリーズタイムラグに影響してきます。

ニコンは電磁絞りが増えるのか?

恐らく、FXレンズではそれほど増えないと考えています。その理由はフィルムカメラのF6が電磁絞りに対応していないから。
また、電磁絞りを採用した場合、絞るほど機械絞りよりもレリーズタイムラグが遅くなり連写速度が落ちるというデメリットも残っています。
設定した絞りまで絞り羽根を動かす必要があるので、絞りきるまでシャッターを切れません。絞り羽根の動きが遅くなるとレリーズタイムラグが落ち、連射速度も落ちるという仕組みです。
絞り羽根を勢いよく開けたり閉めたりするための電圧が現在のマウントでは不十分、というのががEFマウントとFマウントの電磁絞りの現状です。バネを利用した古典的な機械絞りにはパワーで勝てないということです。
大口径レンズになると絞り羽根も大きくなるので、今後期待される135mm F2や200mm F2の後継は機械絞りが採用される可能性があります。

電磁絞り対応ボディは

D3、D300以降のデジタル一眼レフは電磁絞りに対応しています。ただし、D3000、D90は電磁絞りに対応しているはずなのですが、非対応となっている電磁絞りのレンズも多いの要注意です。
AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VRの場合は、D5000シリーズ、D7000シリーズにはいずれも対応しているようです。
D3000シリーズはD3000には非対応でD3100からは対応ということのようです。
不変のFのマウントもさらに複雑になってきましたが、デジタルになりボディの賞味期限は非常に短くなったので仕方のないことなのかもしれません。

まとめ

この先、ニコンが電磁絞りのレンズを増やすのかどうかわかりませんが、恐らく増えるものと思われます。
電磁絞り対応レンズに入れ替わるころには、機械絞りには非対応のボディも出てくると思われますが、それまでにレンズをひと通り入れ替える必要があるので、早くても10年以上はかかるでしょう。
新しいボディを使っていれば、対応か非対応か心配することはありませんので、新しいボディを買いましょう。

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