1インチ高倍率ズーム機の特長と長所・短所
1インチの撮像ししに高倍率ズームレンズを組み合わせたデジカメ、三種類の特長などを比較してみました。
ソニーRX10II
RX10は1インチ+高倍率ズームレンズの組み合わせの草分けとなるデジカメです。
特長
世界初という、1.0型積層型CMOSイメージセンサーの使用
2.8通しのズームレンズ
防塵防滴仕様
長所
F2.8通しのズームレンズ
RX10IIの長所は広角端の換算24mmから望遠端の換算200mmまで2.8通しという明るいズームレンズです。レンズ交換式ではちょっと考えられないようなスペックです。
特に望遠端が明るいため、大きくボカシたい
読み出し速度の向上
積層型CMOSセンサーを採用したことで読み出し速度が向上し、電子シャッター使用時の歪みが減少しているそうです。
連射速度はAF速度の向上とあわさり、RX10の毎秒2.5枚から5枚と大幅に向上しています。
また、最大で960fps(秒間960コマ)での動画撮影が可能になっています。
短所
望遠端が換算200mmまで
換算24mmから200mmというスペックはレンズ交換式であれば高倍率ズームとして一般的と言えますが、他のレンズ一体型高倍率ズーム機と比較すると少し物足りないかもしれません。
200mmと300mmならそれほど違いは大きくないのですが、競合機種が換算500mm以上なので、差は大きいと言わざるをえません。
価格が高い
恐らくレンズが影響していると思うのですが、競合機種と比べるとお値段が頭を抜けています。2.8通しは魅力ですが換算200mmで十分かどうかで判断がわかれます。
SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX10 II 光学8.3倍 DSC-RX10M2
キヤノンG3X
特長
EVFを外付けにしてコンパクトに
換算600mmとクラス最長
防塵防滴仕様
長所
1インチセンサー+高倍率ズームレンズ一体型の中では最もコンパクトになっています。さらにレンズは広角端が換算24mmで望遠端は換算600mmと、非常に倍率が高く使い勝手がいいレンズになっています。
また、望遠端の最短撮影距離がレンズ前から85センチと非常に寄れることも見逃せません。換算600mmで最短85センチというのは一眼レフではちょっと想像できませんが、他では撮れない写真が撮れることは間違いありません。
私の感覚で言えば、200mmと300mmの差はあまりないけど、200mmと400mmの差は大きい。400mmと500mmの差はそんなにないけど、400mmと600mmの差はそれなりにある。という感じです。望遠になるほど差は感じにくくなりますが、換算600mmは大きいと思います。
他のは、キヤノンのコンパクトデジカメ(レンズ一体型デジカメ)としては初めてバルブ撮影に対応しました。
さらに3機種では唯一液晶モニターにタッチパネルを採用しています。パナソニックもソニーもタッチパネルを積極的に採用しているので、高倍率ズーム機でタッチパネルを採用しないのはちょっと意外です。
短所
4k動画の撮影が出来ない、という点は他の2機種と比べると明らかに劣ります。4kで撮影する機会は現在はそれほど多くないかもしれませんが、今後を考えるととりあえず4kで撮影しておく、というのは悪くないと思います。特に時間が経ってから見直す、お子さんの映像は今から4kで撮っておいた方がいいと思います。逆に後から見なおさないようなものはフルHDでもいいし、なんならスマホでも、という気もします。
EVFが外付けという点は賛否がわかれます。EVFを使用しない時は外して、コンパクトに使うことが出来、EVFは90度のチルトが可能なので、マクロ撮影などでは重宝するでしょう。また、EVFが外付けのため、液晶モニターが上方向に180度可動するため、自分撮りも可能です。
しかし、外付けを面倒に感じたり、EVFを使うとホットシューが埋まってしまうのでクリップオンストロボが使えない、という問題もあります。
参考リンク
キヤノンPowerShot G3 X(外観・機能編)
キヤノンPowerShot G3 X(実写編)
これ1台あればもうほかはいらない――あきれるほどすごいスペックの「PowerShot G3 X」
Canon デジタルカメラ PowerShot G3X EVFキット 広角24mm 光学25倍ズーム PSG3XEVFKIT
パナソニックFZ1000
特長
換算25mmから換算400mmのバランスがいいズームレンズ
廉価
長所
FZ1000の長所はとにかくバランスがいい点です。望遠端は換算400mmで超望遠と呼べますし、f4と暗くなく扱いやすいスペックです。
AF速度も早く、連射速度も十分です。後発となるキヤノンのG3XやRX10の後継機となるRX10IIと比べると目立つ特長がありませんが、実用を考えると非常にバランスがよく仕上がっていると思います。
FZ1000は登場からまだ1年ですが、そろそろ後継機が発表されるのではないか?と言われるためか、値段がかなり落ちています。後継機はあと半年くらいは後だろうと思っているので、RX10IIの半額以下という現在の価格は割安ではないかと思います。
三機種の中では唯一バリアングル液晶となっています。チルト式よりも自由度が高いので、バリアングル液晶の採用は魅力的です。
ファームアップによりパナソニックお得意の4kフォトにも対応しました。
短所
他のニ機種が防塵防滴仕様であるけれど、FZ1000は防塵防滴仕様ではありません。FZ1000はバランスがよく使いどころが沢山あるので、後継機では頑張って防塵防滴仕様にして欲しいです。
また、重量が三機種の中では最も重いことも気になります。レンズの重さが影響していると思うので後継機でも軽量化については期待できないかもしれません。
参考リンク
パナソニックLUMIX FZ1000(機能・外観編)
パナソニックLUMIX FZ1000(実写編)
1型センサー×高倍率ズームの“すごい”カメラ――「LUMIX DMC-FZ1000」
RX10II、G3X、FZ1000の仕様
RX10Ⅱ
レンズ:24~200mm(F2.8)
手ぶれ補正:光学式
AF速度:0.09秒
連写速度:14枚/秒(高速連写モード時)、5枚/秒(AF追従モード時)
シャッター速度:30秒~1/3200秒(メカ)
マクロ:最短3cm(広角端)
撮影可能枚数:400枚
動画:4K(30p、25p、24p)、fullHD (60p、60i、24p)
EVF:約235万ドットの有機EL
液晶モニター:約123万ドットの3型(チルト式)
NDフィルター:有り
重量:813g
G3X
レンズ:24~600mm(F2.8-F5.6)
手ぶれ補正:光学式(約3.5段分)
AF速度:0.2秒
連写速度:5.9枚/秒(ONE SHOTモード時)
シャッター速度:30秒~1/2000秒
マクロ:最短5cm(広角端) 、50cm(望遠端)
撮影可能枚数:300枚
動画:fullHD(60p)
EVF:外付け(EVF-DC1、チルト可能、約236万ドット)
液晶モニター:約162万ドットの3.2型(タッチパネル、チルト式)
NDフィルター:有り
重量:733g
FZ1000
レンズ:24~400mm(F2.8-F4)
手ぶれ補正:光学式5軸
AF速度:0.2秒
連写速度:12枚/秒(高速連写モード時)、7枚/秒(AF追従モード時)
シャッター速度:60秒~1/4000秒
マクロ:最短3cm(広角端) 、1.0m(望遠端)
撮影可能枚数:360枚
動画:4K(30p)fullHD(60p、30p、24p)
EVF:約235万ドットの有機EL
液晶モニター:約92万ドットの3.0型(バリアングル式)
NDフィルター:有り
重量:831g
違い
G3Xだけタッチパネルを採用し、EVFが外付け、4k動画が撮影できない。FZ1000だけ防塵防滴仕様じゃない。RX10IIだけf2.8通し。
まとめ
どの機種がお勧めかといったら、パナソニックのFZ1000です。とにかくバランスがいいと思います。高倍率ズームレンズでありながら描写も悪くありません。万能カメラといえます。
G3Xは望遠端の換算600mmに加え、最短撮影距離が非常に短いことを考えると、FZ1000に負けない魅力がある唯一無二のデジカメです。カメラのバランスでは劣るものの、特徴的な仕上がりになっています。
ソニーのRX10IIは動画撮影に対するこだわりを感じ、4k撮影時の熱が問題なければ動画機として非常に有望に思えます。ただ、動画の撮影時間が長くなるとソニーはエラーが出やすいなど苦手。一方でパナソニックは得意とするところなので、カメラを回しっぱなしの動画撮影はFZ1000の方が有利かもしれません。
またRX10は三機種の中ではズーム倍率を抑えているもののレンズの評価はFZ1000と比べるとそれほど高くなかったので、好みが別れるところです。
1インチ高倍率ズームは万能型のFZ1000が間違いないと思います。
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